2013年12月18日水曜日

通関:B/L

B/L

【B/L、Bill of Lading / 船荷証券】

概略
貨物を船積みした際に輸出地で船会社から発行される引受証で、貿易書類としては最も重要なモノの1つ。 輸入地ではこの書類を輸入者が受け取り、船会社に提出することで貨物の引き取りが出来る。

要綱
◇ 貨物の引受・引渡証
◇ 譲渡可能な有価証券

B/L上の明記事項
下記詳細明記事項は、輸出者が作成した要項(Shipping Instruction)に基づいて、海貨業者(乙仲)を通して船会社に提出され、B/L上に輸出者の指示通り明記される。

BL(文書)-1_R2.jpg

① Shipper (荷主)
通常は貨物の輸出者の名前(社名)と住所を記載する。

② Consignee (荷受人)

貨物の引き取り権者
この欄への記入の仕方で記名式B/Lと指図式B/Lに便宜上分類される。

-記名式B/L(Straight B/L)
輸入者(または代理人等特定の個人・法人)の名前(社名)と住所を記載したもの。ここに名前の明記された者が直接の輸入者とみなされる。

-指図式B/L(Order B/L)
この欄に"To Order"や"To Order of Shipper”などと記載されたもの。 意味は”荷主の指示に(従って)”

B/Lは譲渡可能な有価証券であるので、白地裏書*1によりB/Lとその貨物の債権者を移行することができる。 書類を銀行にて買い取りしてもらうため、荷為替手形を組む際などに用いられる。 

実際の権者の移行の流れは(L/Cの場合)・・・
輸出者(荷主)→ 買取銀行(輸出地)→ 信用状発行銀行(輸入地)→ 輸入者

*1白地裏書(Blank Endorsed)
B/L裏面に社版(スタンプ)に代表者のサインをすることで債権譲渡する。

③ Notify(貨物到着時の連絡先)
輸入地にて貨物到着の知らせ(Arrival Notice)を受ける者の名前が明記される。 実務上、記名式B/Lでは、Consigneeと同じ内容であれば"Same as Consignee"とすることが一般的である。 一方の指図式B/Lの場合には、実際の輸入者名もしくは輸入地にて貨物到着の知らせ(Arrival Notice)を受ける者の名前と連絡先が明記される。

④ Placce of Receipt (搬入地)
貨物の搬入先が記載される。

⑤ Name of Vessel (船名)
貨物を載せた船名が記載される。

⑥ Port of Loading (積み地)
出港地の都市名、国名の順に明記される。
例). TOKYO, JAPAN

⑦ Port of Discharge(揚げ地)
荷卸し港の都市名、国名の順に明記される。
例). NEW YORK, U.S.A

⑧ Place of Delivery(仕向地)
荷卸し地(到着地)の都市名、国名の順に明記される。

⑨ Final Destination (最終仕向地)
輸入者の意向により、任意で最終向け地(都市名、国名)を明記する。

⑩ Marks and Numbers
任意のケースマークを明記する
例). ABC-001
   NEW YORK
   MADE IN JAPAN
   No. 1 - 100

⑪ Description
商品内容を明記する

⑫ Gross/Net Weight
総重量・正味重量を明記する

⑬ Prepaid at (運賃先払い)
フレイト(海上運賃)が先払い条件(C&F,CIPまたはCIF)の際、運賃が支払われた場所が明記される。

⑭ Payable at (運賃後払い)
フレイト(海上運賃)が後払い条件(FOB,FCA)の際、運賃が支払われる場所が明記される。 一般に"Payable at Destination"とされることが多い。

⑮ Place and Date of Issue (発効日・発行場所)
B/Lの発効日と発行地が記載される。 Received B/Lでは、この日付が船積み日(On board Notation)とは異なる意味合いの日付なので注意が必要。

⑯ On Board Notation
積み地にて船積みされた日の日付が記載される。
例). At Tokyo, Japan On April 01, 2008

B/Lには、Received B/LとShipped B/Lの2種類がある。
B/L表面ににあらかじめ印刷された細かい字の英文を探してその先頭の単語を注視してみて下さい。 最初の文字がReceivedかShippedかでどちらのB/Lか判断出来ます。

-Shipped B/L
船積みされたことを証して発行された書類。
書類上の日付は1つのみで、発行日の日付になっている。
発行日が船積み日とみなされる。

-Received B/L
貨物の受け取りを証して発行された書類。
On Board Notationに明記された日付が船積み日になる。

問題はReceived B/Lでは銀行は買取をしない。但し、Received B/Lの上記例の様なOn Board Notationに日付が入っていればShipped B/Lと見なされ問題なく買取される点です。


《輸出者側のポイント》
-発行されるB/L内容について一字一句スペルチェックをする必要がある。 特にL/Cの銀行買取の際には、書類内容について「厳密一致」の原則があるため内容に相違ないことを確認する必要がある。

《輸入者側のポイント》
-ConsigneeとNotifyを輸出者に知らせる必要がある。

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